利害関係

利害関係で生きるのって辛いなって思っていた。会社ではもちろんそれでもいいのだけど、リラックスできるはずの家の中でも利害関係に支配されるのって嫌だなってずっと思っていた。

うちの会社の社長がたまに家族の話をされるのだけど、社長のご家庭でも家事の担当が決まっていたり、しばらく家を空けた後は家事を頑張らないといけない、仕事みたいなものと仰っていたりして、あぁなんだ、家の中でもみんな案外利害関係で生きてるのかな、と思ったりした。

私は家はリラックスする場所だと思っていたし、家にまで利害関係に支配されるのってしんどいなってずっと思ってきたけど、案外どこの家庭もそいういうものなのかもしれないなと社長の話を聞いて思った。

家族はリラックスできる場所とか、本音が言える場所とか、愛情にあふれる場所とか、そういうイメージがある。だからそうではない自分の状況がとても苦しいと思っていた。でもそれは物語の中だけの作られたイメージであって、現実の家庭はどこも仕事みたいに利害関係で成り立っているなら、まぁそういうものなのかと割り切れそうな気がする。

確かに、大正や昭和のいわゆる「お嫁さん」って、ひたすら主人を立てて、文句も言わずに家事をこなし、主人の影で生きていたイメージがある。彼女らが「家はリラックスする場所」などと思っていたとは考えづらいし、まさに「お嫁さん」という役割を仕事のようにこなして生きていたに違いない。

家事の分担って?

上の話はそれはそうとして、家事の分担という話をよく聞くけど、家事ってそもそも分担するものなんだろうか?

床が汚かったら掃除するしかないし、洗い物がたまっていたら洗うしかない。洗濯しないと翌日着るものがない。ゴミ袋で足の踏み場がなくなるようなら出すしかない。料理を作らないと食べるものがない。どっちがやるという話ではなくて、必要だからやるし、やらないと困ることが起きるからやるという性質の類ではないかと思う。

もし一人暮らしだったら結局は全部やる。今家事を何もやっていない人でも一人暮らしをすることになったら全部やるだろう。やらざるを得ないから。それなら、一人暮らしだったら全部やるのに、家族が増えたらできなくなるというのは理屈が通らない。相手が分担する、しないに関わらず、一人暮らしと同じようにやらなければいけないことをやるだけだ。飢えて死にそうなのに、自分は料理の分担じゃないからやらないと主張していたら、飢えて死ぬだけだ。

一人暮らしならやらざるを得ないんだ。二人暮らしでも三人暮らしでも、やらざるを得ないことをやればいいじゃないか。

まぁー、育児は知らんけど…。やったことのない私には大変さは理解できないので語るまい…。